7-4 マルチメディア

 マルチメディアとは、マルチ(複数)のメディア(媒体)で表現されたもの(技術・成果物)のこと。

マルチメディア技術

音声データ

  1. PCM
    音声を標本化・量子化・符号化した形式。非圧縮方式であり、主にオーディオCDなどに用いられる
  2. MP3
    MPEG1の音声データ部分を独立させた、圧縮音声規格。主に携帯音楽プレイヤーで利用される
  3. MIDI
    電子楽器の演奏データを記録するための規格

 

静止画データ

  1. JPEG
    写真などの画像を保存する際に広く使われている静止画データの圧縮規格
    非可逆圧縮が用いられる。
  2. GIF
    256色までの静止画を可逆圧縮する規格
  3. PNG
    静止画データを可逆圧縮する規格
  4. BMP
    Windowsでもちいられるビットマップ画像の規格
    無圧縮画像を格納する
  5. TIFF
    タグを用いることにより、多様なイメージを記録するビットマップ画像の規格
  6. HEIF
    スマートフォンなどで採用されてい静止画フォーマットの一つ
  7. Exif
    TIFFとJPEGをベースにしたディジタルカメラ用の規格
    撮影日時や撮影した機器などをメタデータとして記録できる

 

動画データ

  1. MPEG1
    ビデオCDなどに用いられる動画の圧縮規格
  2. MPEG2
    DVDビデオやTVの地上ディジタル放送などに用いられる動画の圧縮規格
  3. MPEG4
    通信分野や携帯端末、TVの地上ディジタル放送(1セグメント)などに用いられる動画の圧縮規格
  4. Motion JPEG
    フレームにJPEGを用いる動画の規格
    ディジタルカメラの動画記録機能などでもちいられる

 

4K /8K

スーパーハイビジョンと呼ばれる次世代の映像規格
フルハイジジョン(1920✖️1080 約200万画素)とくらべると、
4Kは4倍の画素数(3840✖️2160 約800万画素)、
8Kは8倍の画素数(7680✖️4320 約3300万画素)

H.264/H.265

H.264は、H.264/MPEG-4 AVC とも呼ばれ、ワンセグ放送や動画配信サービスに用いられている

H.265は、H.265/MPEG-H HEVCともよばれ、H.264の後継規格となる
そのためH.264よりも高い圧縮率をもち、4K・8K放送で用いられている

 

マルチメディアシステムの応用

CG

computer graphicsは、コンピュータを用いて2次元や3次元の画像や映像を生成する科学技術、及びその技術によって生成される画像のことです。

XR

XR(クロスリアリティ)とは、現実世界と仮想世界を融合し、新しい体験を創造する技術で、「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」などの先端技術の包括的な総称です。

VR

VRは、主にCGで構成された映像すべてがバーチャル(仮想)であり「現実ではない」空間をVRヘッドセッドや専用ゴーグルを装着して見ることができ、その世界に入り込んだような体感ができる技術です。

AR

ARは、リアルな現実の風景に、さまざまな情報を付け加えて見せる技術です。スマートフォンやタブレット、サングラス型のARグラスを通して見ることができるため、気軽に体感でき、個人で楽しめるゲームでも多く採用されています。

MR

MRは、ARをさらに拡張し、頭に装着するディスプレイを通し、実際にはその場所にないものを現実世界と仮想の世界を重ね合わせて表示(複合現実)し、自由な位置や角度から体感できる技術です。医療や自動車、教育など幅広い分野で応用ができる技術として注目されています。キヤノンMRシステム(MREAL)はVR / ARも包含した技術と定義しています。

バーチャルサウンド

仮想音響は、映画館のような多チャンネルの立体的な音響を、ヘッドフォンのような少ないチャネルの環境で仮想的に実現する技術です。

 

CG(Conputer Graphics)


アンチエイリアシング物体の輪郭部分に背景の画素値との平均化処理を施し、輪郭を滑らかに表現する技術
クリッピング画像や画面のうち、表示領域以外のデータは消去し、処理にかかる計算量を減らす画像処理方法のこと
シェーディングコンピュータ上の物体表面に対し、陰影(シェード影)をつけることで立体感を出す技術
テクスチャマッピング3次元CGで作られたオブジェクトの表面に、2次元画像(テクスチャ)を貼り付けることで質感を向上させる技術
ポリゴン多角形を組み合わせて物体をの表面を表現する構成要素
メタボール3物体を球形とみなし濃度分布を設定し、物体を滑らかな形状に見えるようにする技術
モーフィングコンピュータ上で、ある物体から別の物体へ変化する様子を表す際、2つの物体の中間の様子をコンピュータ演算によって補うことで物体が自然に変化しているように表す映像処理手法のこと
モーションキャプチャ人間の動きをデジタルデータとして記録する技術。センサーやカメラを使って、人の動きを3次元的に捉え、それをCGキャラクターなどに反映させることができます。
ライティング3次元空間に光源や光線を表現する手法
ラジオシティ複数のオブジェクトについて光の反射を計算し、間接光などを表現する手法
レイトレーシングコンピュータ上の物体に対し、陰影や光の反射を表現する際に使われる技術
レイ(光線)をトレーシング(追跡)する
レンダリング3次元CGで作成した物体のデータを元に、プログラム上で演算をかけ、ディスプレイに表示できるようにする処理技術
ワイヤーフレーム3次元の物体を線のみで表現する手法