ここでは、制御方法や省電力設計など、素子、IC以外のハードウェア関連知識について学習する。
制御方式
計測機器や工作機械などの制御においては、状況に応じて正確なコントロールが求められる。
機器の制御方法の分類には、次のようなものがある。
- シーケンス制御
- フィールドバック制御
- フィールドフォワード制御
- ファジー制御
シーケンス制御
事前に順序を決めて、その通りに動作させる制御方法
フィールドバック制御
常に現状を監視して、目標と比較し、その結果をフィールドバックすることで、正しい目標状態にすることを狙った制御方法
フィールドフォワード制御
制御を乱す外的要因が発生した場合に、それが影響として現れる前に、前もってその影響を極力なくすように必要な修正動作を行う制御方式。単体では目標に近づいているかが判断できないのでフィールドバック制御と組み合わせて使う。
ファジー制御
「暖かい」などの曖昧さを表現ができるファジィ理論に基づいて行われる制御。人間の感覚に近いコンピュータ制御ができる制御方法
省電力設計
組み込みシステムでは、省スペースなどの要求から、バッテリー容量が制限される場合がある。そのため、無駄な電力を制限する対策が必要である。主な留意点は、以下のものが挙げられる。
CPUのクロック周波数
クロック周波数が高くなるほど消費電力が大きくなる。
(対策) 動的にクロック数を変える 割込みの受付までCPUを休止状態にする。
LED
長く発光させるほど電力を消費する。
(対策) 短い間隔で点滅させる 作業しないときはライトをオフ
その他関連用語
ハードウェアや機器制御に関する用語として、次のようなものがある。
アクチュエーター
電気などのエネルギーを進移動や回転・曲げなど、何らかの“動作”に変換する装置
入力されるエネルギーには、電気のほか、空気や油による圧力(空気圧、油圧)、電磁石による磁力、蒸気や熱など、さまざまなものがある。
例)モータ、風車、自動車のワイパー
センサ
変化を捉え、信号やデータに変換して出力する装置や機器
例)マイク(音声→電気信号)、タッチパネル(接触を検知)
7セグメントLED
7セグメントLEDは、数字情報の表示に特化したデジタル表示モジュール。
表示する数字の形状部に発光ダイオード(LED)を配しているため、視認性がいい。

7セグメントLEDの各部は次のように呼ぶ。
- 発光部(a~g):セグメント(Seg)
- ドット発光部:デシマルポイント(D.P)
- a~gの7セグメントの総称:デジット(Dig)
0と1の出力によって点灯・消灯をセグメントごとに制御できる。